原付の修理を自分で行おうとする人は多いのではないでしょうか。特に、修理ではなく走りの改善の為に駆動部品を交換したい方は多いと思います。
今回はゆるキャン△で再び人気となったビーノをベースにスクーター修理の手順を紹介しようと思います。基本的な作業は他社種でも同じですので、参考にしてください。
私の整備記録から、以前乗っていたビーノの修理やカスタムの方法を解説します。
ビーノSA37J【ゆるキャンで人気のビーノを復活】
ビーノは今や再ブームの様な状態になっていますね。
人気アニメのゆるキャンで使用されたり、サーキットのスクーターレース界でもベース車輌として沢山の人に使用され、通勤するにも街乗りにもオシャレですから誰が乗っても変じゃないバイク。
自分はこのバイクを日常使いも含めて大変お勧めできる50ccスクーターだと思っています。
ビーノの入手経緯
このスクーターは妻の実家にほとんど乗らずに放置され、近々廃車予定だった車両です。ちょうど通勤の時短を工夫していたので、譲り受けて修理して乗ることにしました。
最初はササッと治して乗るつもりをしていましたが、ちょうど子供の勉強にもなるので5歳の娘のできる範囲で手伝って貰いながら修理していく事にしました。
修理箇所の紹介
- ウエイトローラー交換、グリスアップ
- スライドピース交換
- Vベルト交換
- クラッチ関係一式新品交換
- バッテリー充電
- ウォーターポンプリコール
- エンジン・キャブレター内部フラッシング剤洗浄
- 吸気系オーバーホール・エアエレメント交換
上記リストが修理した主な内容になります。基本的には駆動系の問題で自走出来ない状態でしたので、エンジン内部やキャブレター内部など大掛かりな修理の必要はありませんでした。
まずは動きに異常や異音がある部分一式と、消耗部品のベルトやスライドピースやウエイトローラー等を全て交換しました。
あとは、充電や燃料へのフラッシング剤洗浄で対応できました。それ以外の細かな場所はグリスアップや錆取りの基本メンテナンスで対応できました。
駆動部品の交換
≫クランクボックスを開ける
クランクボックスはネジ6本で止まっているだけなので簡単に外れます。
≫クラッチ
まず10年程前のバイクなので、駆動周りがかなりやられていました。プーリー以外の全ての部品を交換しました。クラッチに関しては異音が鳴り、上手く走り出せない状態でした。
クラッチシューの部分研磨をして摩擦抵抗を改善したり色々とやりました。細かな部品1つづつ交換してトラブルシューティングするより、丸ごと交換した方が早そうでしたのでクラッチは丸ごと交換する事になりました。
≫必須専用工具
ベルト交換に必須なのはこの専用工具のユニバーサルホルダーです。
これ1本でクランク内の回転物の動きは全て自由に制限できます。この工具が無い場合、回転物であるプーリー類を固定してナットを回す事ができない為、作業をすることができません。
また、クラッチ側は別の専用工具もありますが必要ありません。ユニバーサルホルダーをひっかけるだけで確りと作業できますので、クランクボックス内部の作業にはユニバーサルホルダーは必須です。
≫Vベルト
ベルトの交換時には、製品によって回転方向があるため注意しましょう。
今回は回転方向の指定が無いVベルトを使用しました。
ベルト交換の時のコツは、リア側のクラッチのプレートを完全に開いた状態にします。
クリップでベルトをリアのセンターシャフトに固定すると、クラッチが閉じてベルトの長さが足りなくなる事がありませんし、確りとフロント側のプーリーの締め込みを行う事が出来ます。
また、フロントのエンジン側のプーリーのプレートは確りとセンターシャフトの凹凸に固定部品がかみ合っているか確認しましょう。
かみ合っていない状態でナットを締めたり、シャフトに無理やりな力を掛けて締めこむとネジが壊れますし、凹凸とかみ合っていないとエンジンの回転がそのまま伝わる部分ですので、かみ合わないまま走行していると力に負けてエンジンから直接出ているシャフトが壊れる事になりますので、修理はとても大変な事になるのは明白です。
自分で行う場合は確り注意して作業しましょう。
私の場合は5歳の娘との作業でしたので、色々と手伝って貰いながら確りと締め付けとトルク管理を行いました。
スクーターは自宅でも手軽に短時間でメンテナンス出来るのがメリットです。
慣れていれば早く終わりますが、全くの初心者の方はバイク屋さんにお願いするのが無難だと思います。
今回の作業では、駆動部分に方向指定のある部品はウエイトローラーとスライドピースとVベルトです。
部品のメーカーにもよりますが、Yamaha純正ウエイトローラーは回転方向がありませんでした。Vベルトもメーカーによって様々です。
部品のメーカーや種類によって方向があったり無かったりしますので、確りと確認して購入と取り付けを行いましょう。
また、部品番号の確認はメットインのシートのジョイント部分に白いシールで部品番号が書いてありますので、車体の型式年式と部品番号を合わせて間違えの無いように準備しましょう。
「ビーノ4ST」と記載して販売している物を購入していたとしても、4STビーノの車種も幅広いですから全然使えない物が届く確率の方が高いです。
年式・型式・部品番号が合っていなければ当然ですのでご注意下さい。
駆動周りは確りと管理する必要がありますので、自信の無い方や専門知識の無い方はバイク屋さんにお願いするのがお勧めです。
走る、曲がる、止まる部分は直接的に命に係わる部分ですので、無理せず解らない部分はプロに任せましょう。
燃焼系の改善
- プラグ交換
- エアークリーナー交換
最低限の燃費に直結する部品を交換しました。全く交換されていないであろう部品を主に交換する事にしました。
この二つの交換で走りは見違えるほど良くなりました。
プラグ交換
シート下の所にエンジンがあるので、足元のパネルを外して交換します。
まずはプラグコードを動かして抜き取ります。
このプラグコードはリコール対象になっていますので、黒なら対策品、赤なら要交換です。
見たい作品の場合、今後点火不良が発生しますので注意しましょう。
ほかにも燃料ポンプのモーター等もリコール対象になっていますので、動作不良が発生したら疑ってみましょう。
あとは、16番のプラグレンチでプラグ「CR7E」を外しますが、ストレートのプラグレンチだけでは外しにくいので、ジョイント機能のある工具を使用し角度をつけて外します。
取りつけるプラグも同じ物です。
なるべく手で入るところまでネジを占め、止まったところから工具を使用し規定トルクで締め付けを行います。
新品プラグと中古プラグで締め付けトルクが異なるので注意しましょう。
エアークリーナー交換
交換されていないであろうプラグの交換の序にエアクリーナーの交換も行いました。
蓋を開けたら真っ黒で目詰まりしていて酷かったです。
これでは空気を上手く吸い込めませんので、燃費はかなり悪くなります。
エアークリーナーを新品に交換してすっかりのびやかに走るようになりました。
最後にエアークリーナーに繋がるドレンホースの中のたまったオイルも洗浄して綺麗になりました。
走りが一番変化したように感じます。
もちろん燃費も確り良くなりました。
風雨や虫対策
雨風を凌ぐにはこのフロントスクリーンとナックルガードがかなり便利でした。
両方汎用品でアマゾンから購入したので、取り付けのマッチングに不安がありましたが、一切加工無しでギリギリ付きました。
若干の干渉はありますが、特に干渉箇所に傷やヒビが入るわけでもありませんでしたので、多少接触していても問題ありませんでした。
2つとも1,000円以内で購入できました。
安いのに効果絶大です。
膝に走行風が少し当たりますが、ほぼ全部上半身は雨風や虫から守られます。
コスパ最強な上に効果絶大ですので絶対オススメの組み合わせです。
まとめ
ほかにも、45リットルのトップケース取り付け、キャリアラックの変更やヘッドライトの変更も娘と一緒に行いました。
ヘッドライトはハロゲンからLEDに変更したので、視認性抜群になりました。
シート回りのカビ取りやハンドル周りの錆取りも行いました。
娘と一緒に直したバイクなので、かなり思い入れがあります。書きたい事は沢山ありますが、1記事にまとめるには多すぎるのでこれで修理に関しての紹介を終えようと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました。
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タンデムスタイルの単独取材記事と特集記事にて私やバイクチームのバイクライフについて複数ページで紹介いただきました。コミュニティの作り方やチームの運営、わたし個人のバイクライフについてもお話ししています。
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オシャレで高品質なバイクグッズはデグナーがオススメです。
私はタンデムスタイルの取材記事と特集記事でデグナー製品をお勧めしています。
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