ソニカで突然いつもとちがう「ガクッ」と駆動系が引っかかるような感覚が前輪から発生するようになった事は無いでしょうか?
私は以前ソニカRSリミテッドL405S前期を所有していましたが、原因不明のCVTのトラブルにより手放しました。
結論からお話しますと、OBD2から車両情報取得を行ってCVTのエラーコードを消しても機械的な部品交換をしても症状が続き、最後に手放すまでトラブルは治りませんでした。
重要なのは、CVT以外に何も問題が無くリコールも全て対処済みで、必要な消耗部品の交換を行ってもノッキング症状が治まらずにエラーコードが止まらないという事です。
この記事を読んで頂ければ、上記ソニカのCVTの謎の異常発生の原因への対処法が分かります。
自動車学校卒、車両部品の設計開発にも携わってきた、車オタクの私が行ってみた修理を紹介します。
CVTの異常発生
当時、ソニカを3万8,000キロ程で中古購入して子供の保育園送迎などの日常使用を目的として乗り始めました。
3カ月程して車にも慣れてきた頃、合流時に7割程で踏み込んだところ「ガクッ」となり驚いたのを思い出します。
ターボ車などで良くなるノッキングや、CVTジャダーよりはるかに大きな衝撃でした。
腹の底までグッとくる感じで、ベルトもロックする勢いです。
古い車なので「たまにはそんな事もあるだろう」程度に考え、そのまま乗っていました。
しかし、その症状は治まりませんでした。
特定の条件で発生する
主に通勤用として乗っていましたが、段々と謎のノッキングの発生パターンが解ってきました。
7割~8割程度踏み込んだ状態で回転数が3,800回転前後の所で必ず「ガクッ」となりエンジン回転数と速度が低下し、そのまま踏み続けるとまた同じ回転数まで立ち上がると「ガクッ」となる状態が繰り返されます。
特定条件で発生傾向がある事が感覚的に解って来たので、私は車の学校も出ていますし趣味は車やバイクなので、「コツコツ直していこうかな」くらいに考えていましたが、そうはいきませんでした。
ここから、ソニカのCVT異常について車屋さんを巻き込んで深く調べて行く事となりました。
CVT異常発生時にやるべき事
10年以上前の車とは言え電子制御になっています。
まずは車両データを機械を使用して取得します。
最近は簡易データであれば取得してスマートホンから確認したり、エラーコードの削除を行ったりする事の出来る製品も販売されています。
アプリは製品純正や汎用アプリが複数出ていますので、そのアプリを利用して情報表示する事になるのであまり表示が安定しなかったり表示できなかったりします。
事前に機械のバージョンと手元のスマートフォンとの互換性などかなり細かな確認が必要になります。
まずは、この製品で当時の私のスマートフォンの場合表示する事が出来ましたので、走行データの取得を行いました。
エラーコード自体は、製品が簡単なデータしか抽出の出来ない程度の仕様でしたので、走行データを中心に発生パターンの確認を行いました。
高価な機材を購入したとしても、結局ディーラーの機械以外は精密情報は取得できませんので、あくまで最低限の目安程度の情報です。
個人的には、趣味要素以外での使用はあまり使用はお勧めしません。
データ計測と発生パターンの確認
結論、一日で分析を終える事が出来なかったため、数日に分けて冬の間3カ月間計測を行いました。
早朝の車がいない4時~5時の同じ条件の気候を1日単位で区切り、毎週末行いました。
同じ道、同じ環境負荷、同じ走行負荷、同じ吸排気温度を保ち吸気温度など上がり始めたらクールダウンさせてテスト走行を繰り返しました。
少しづつエンジンの回転数とアクセル開度に変化を付け、特定の条件を探しました。
季節が変わると共に外気温が変化していきましたが、症状は続きました。
バキュームスイッチングバルブ交換
念の為、ダイハツの同じ年代で似たようなノッキング現象が起きている車種が行っていた対策も試してみました。
バキュームスイッチングバルブは清掃で改善する場合もあったようですが、時間を取れないため新品に交換してみました。
バキューム系の対策なので駆動系ではなくエンジン主体のトラブルへの対策ですが、本当に念の為部品交換してみました。
結果、なんの変化もありませんでしたが、よく似たトラブル発生源はこれくらいでした。
普通に走行も出来ますし、車検も通っていますし、特定の条件がそろう状況以外は問題なく走る事が出来ます。
どちらかと言えば、一見何の問題も無い様に見えますが恐らく前オーナーが車を手放した理由はこのCVTの異常だと思います。
子供を乗せている時だと、前に飛びそうになっているのでとても危険でしたし、雨の高速道路でカーブの途中症状が発生してしまったらそのままスピンしそうな勢いです。
思いつくような部分は一通りバラして確認しましたが、全く異常がありません。
これ以上の部品交換や検査道具をそろえるのは費用が掛かる為、一旦仲のいい車屋に相談に行きました。
OBD2から詳細データの抽出
実際に車屋に車両を持ち込み、業務用の機械をつないでエラーコードの確認をした所、複数のエラーコードが確認できたので、一旦全て削除してテスト走行を一緒に繰り返しましたが、CVTの症状は続きました。
当初は車屋の担当者も「CVTのジャダー良くあるからジャダーだと思うよ」と一緒に乗る前は言われていましたが、実際に激しい「ガクッ」を体験してみて驚いていました。
最初はブレーキ踏んだと思っていた様ですが、それが症状だと伝えると間違いなく駆動系の衝撃だという私と同じ意見でした。
店舗へ戻って再度機械で確認するもまたCVTにエラーコードが発生していました。
一旦削除し、事務所のパソコンからダイハツの公開データで車両のリコール情報を確認しました。
CVT関係のリコールは出ていないモデルでしたので、リコール関連ではないですし、吸気関係は既に私の方で部品交換や基礎整備済み。
整備内容などを伝えると、「それでも全く変わらなかった?」と聞かれましたが、「見ての通りです」としか言えませんでした。
仲のいいお店は腕はありますが正規ディーラーでは無かったので、ディーラーの方へも念の為確認取って貰いましたが、予想通り前例無しとの事でした。
CVTとエンジンの交換
この先考えられる部分として、CVTの異常はエラーコードが示す通りでしたので、そのエラー詳細まではディーラーの機械を使用しないと解りません。
これは、一般的なトラブルではないという事を示します。
ディーラーで細かく分解して部品を交換してという作業を繰り返す事はありませんので、恐らくCVTミッションの丸ごと交換やエンジンとミッションの載せ替えなど大掛かりな作業が待っているのは大体予想が出来ましたし、実際にディーラーからはその流れになる可能性を示唆する助言をされていました。
ですので、まだ普通に走行できるうちに手放してしまう事にしました。
実際に、私のブログの検索流入にはソニカの記事を扱っている為、「ソニカ7速壊れやすい」などソニカのミッション絡みの不具合検索流入がかなり多いです。
ですが、機械的に変速していると見せかけているだけですので、CVTに事実上の機械的なギアチェンジは存在しません。
ソニカの変速風機能はスクーターも駆動構造が同じなので、変速風機能が付いているスクーターもあります。
7速が壊れやすいというより、無段階変速のミッションとエンジン間の電子通信に何らかの問題があると思われます。
先ほど説明した通り、デジタル化されていますので独自の通信機構でエンジンとミッションは連動して駆動しています。
まとめ
ディーラーには実際に前例が無いからとミッション交換の方向を進められますが、実際の所はディーラーも公にリコールが掛かっていない以上言えない事情もあります。
そこは行間を読んで下さいとしか言いようがありません。
実際に学生時代から大手車関係のアルバイトをずっと経験して、自動車の学校へ行って自動車のパーツ開発者になって、現場を離れるまで車の事をずっと現場のアルバイトから開発まで見てきた自分としてもわかります。
確かに、現場で長く作業していると同じ車種で起こる不具合は大体相場が決まっています。
車種と不具合内容聞けば、用意する工具や道具と作業は既に決まっているのが相場です。
ですが、その内容がリコールに無い事が殆どです。
当たり前ですが、現場の作業者が「この車種リコールね」と決める訳ではありませんので、一定以上の発生率や重大性が必要です。
トラブルにいつも通り対処する作業者と、「自分の車だけがそのトラブルで故障したんだから仕方ない」と訪れるお客さんの構図で成り立っていると私は肌で感じてきました。
恐らく、このソニカのCVTの場合もその一定割合以下で発生するよくあるトラブルとして現場では認知程度はされているんじゃないかと思います。
勿論、そんなこと直接聞けませんし聞いても答えてもらえるものではありませんがそんなものです。
開発でも同じようなトラブルの起こる製品には、そのうち事前に対策をほどこすところまでやってから出荷するようになります。
量産化や製品化するという事は、小さな改善点に対して生産ライン全体を見直す程の事をその都度する事はまずありません。
不具合10回出たから生産ライン全体を10回作り直します、なんて事では多額のコストがかかりますから。
だから、開発者や生産ラインを作る人たちは責任をもって仕事に取り組みますし、責任を問われるわけです。
なにやらこんな話を書いていると「空飛ぶタイヤ」の話をフッと思い出しました。
ソニカのCVTエラーコードとノッキング現象
この現象が発生した場合、対処方法はミッションやエンジンの載せ替えしか無いのが今回の結論です。
実際に色々な走行データの取得や検証を行った結果の判断です。
実際にほかに同じ症状でソニカを手放しているオーナーもネット上で見かけました。
私の場合乗り潰そうと考えていたので、許容できる範囲で部品交換や基礎整備や走行テストに時間と費用を掛けました。
一般の方がお店にお願いしていたらもっと費用が掛かっていた事は言うまでもありません。
ソニカRSリミテッドの前期型で同じような症状が発生した方がいれば、費用をかけてでも直すか、少しでも早く手放すかを決めるべきかと思います。
症状を放置して乗っているとそのままノッキング頻度が増えて行き、間隔が短くなり最後はまともに直進出来ない状態になっている方も居ました。
私も例外ではなく、手放す前にはアクセルを踏んでもエンジン回転数5,000回転以上でも、最高速度が20キロくらいしか出ない状態になりました。
大きな道路の交差点内右折時にその状態に陥り、周囲の車や直進車からクラクションを沢山ならされる危険な状況もありました。走らない時は一時道路はしに停車しエンジンを切って休ませてから再度エンジンをかけて対応していました。
最終的には、売却が決まり車両が引き取られていくまでは、危険なので車には乗らず自宅に保管する事になりました。
困って検索してこのブログまで来てくださったという事は、似たような症状で困っている方かと思います。
個人的な意見としては、ソニカでCVTの異常が出始めたら早期に手放す事がコスパを考えても正解だと思います。
一般の方が「何か様子がおかしい」と感じて調べないといけない時点でおかしな状態になっているのは間違いありません。
ほかにもノッキングなどの原因になる事は多岐に渡りますので、今回紹介した私と同じ症状の場合はあきらめるか載せ替えをオススメします。
それ以外の症状の場合はまた違ったアプローチがありますしトラブルシューティングの方法も異なりますので、お店の方へ相談されるのが最良だと思います。
今回は実際の経験談から、想定できる範囲での対処法を紹介しました。
自身で判断できない場合は、購入店へ相談してみましょう。
下の関連記事でソニカのカスタム紹介をしていますので、是非ご覧ください。
では、最後まで読んでいただき有難う御座いました!
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ソニカでCVTに異常が出始めた方、乗り換えの検討を始める事をお勧めします。
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良質な中古車探しはプロに任せれば間違いありません。自信のない方は無料ですので気軽にご利用ください。
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今回の記事の中で少し名前が出ましたが、今回の説明したお話と似た話が小説化されています。大どんでん返しで有名な池井戸潤さんの作品ですね。
池井戸ファンは多いのではないでしょうか。今回の様な話題に深く踏み込んだ題材となっていますので、お勧めです。ドラマ化もされています。タイトルくらいは知っているけどまだ良く知らない方、オススメです。
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