簡単なプランター菜園から少しステップアップしたイチゴ栽培に挑戦してみたいけど、中々踏み出せない方や苗を買って始めてみたけどよくわからない方も多いのではないでしょうか。
実際にイチゴのプランター栽培に挑戦して失敗も成功もして来た私が家庭で隙間時間を利用したイチゴ栽培成功のコツを紹介します。
この記事では、植え付けから収穫・栽培までの一連の流れを紹介します。
イチゴは多年草であり、繁殖用に伸びるランナー(繁殖用の茎)の先に出来る株を使用し、翌年のイチゴ栽培につなげて行きます。一番家庭でプランター栽培する際に苦労するのが、収穫時期前後の病害虫対策と、7月以降の株分けです。
この記事を通してイチゴ栽培の一連の流れや注意点、用意するものなどを具体的に解説する事でイチゴ栽培を家庭で成功させるまでの流れを理解していただく事ができます。どこででも手に入るものを利用して取り組んでいますので、専門的なイチゴ栽培の専用品などは使用しません。
プランター栽培に隙間時間を利用して子供達と取り組んでいる私が失敗例も交えて解説します。
イチゴの年間栽培サイクル
7月頃からランナーから株分けを行い、上手く育った株を10月中頃~11月中頃に植え付けます。その後、冬を越して春を迎えると活動期に入り活発に成長を始めます。
イチゴは前年度の株を増やして持ち越しますので、1年の始まりは前年度の10月に植え付けに成功した頃が起点となります。
やがて5月に入り花が付いたところで受粉作業を始め、翌月の6月から収穫に入ります。そしてまた7月から翌年の株をランナーから作る作業に入ります。
1年間を通しての栽培ポイントは、真冬と真夏を超える事。特に夏が一番のかなめになります。夏のイチゴの株は株分けの最中でまた小さく弱いです。虫や暑さにやられる確率が高いため注意が必要です。そして、寒さに強いイチゴですがさすがに極寒の際は霜にやられますので、対策が必要です。
植え付け
前年度から持ち越したイチゴの株をプランターへ10月に植え付けます。写真のイチゴの株は少し冬の寒さで葉が焼けています。
植え付け時の注意点
植え付けの際、ポリポットから株を取り出す時に根が巻いてしまっている時は少しほぐしてから植え付けを行うようにしましょう。
確りと根を張る事ができるよう、深さのあるプランターを選びましょう。イチゴは浅く根を張る植物ですが、小さすぎると株分けの際にランナーが伸びなくなってしまいます。
ランナーから株分けを検討している人は確りと余裕のあるプランターを用意しましょう。株を購入して使い切りにする方は実ができればいいだけですので、デザイン性重視の小さな入れ物で問題ありません。
デザイン性と機能性を両立した栽培プランターがオススメです。土の中の空気の出入りを円滑化する素材を使用したプランターで根を強く健康的に栽培可能です。
植え付け失敗例
植え付けの時期を間違えないようにしましょう。私がこの写真の株を植え付けたのが3月でした。通常10月に植え付けを終わらせて越冬しますが、株が偶々手に入ったので少し暖かくなっていたこともあり植え付けを行いました。
3月頃は少し暖かくなり始めますが、まだ夜に霜が降りたりするので植え付けには不向きです。少なくとも4月以降で収穫時期までに植え付けを行いましょう。
ここまでの詳細記事がありますので下記リンクよりどうぞ。
受粉作業
イチゴの花が付き始めたら受粉作業を始めます。受粉作業は筆などを使用するのが一般的ですが、植物に優しく効率よく受粉するには耳かきのフワフワした部分を使用するのがオススメです。
花に傷をつけることなく受粉する事が可能です。100円で購入できますのでお買い物のついでに用意できます。
勿論専用の受粉用の梵天(ぼんてん)も販売されていますし、確りと長さも確保されていますので使用しやすいです。
受粉を行うには適した時間があります。イチゴは午前中が花粉の生成が最も活発なため、午前中に受粉作業を行います。
タイミングを逃さないよう、花が付く時期は毎日確認をしましょう。気が付いたころには既に花が終わってしまう事もある位はやいので、隙間時間をみて確認するようにしましょう。
受粉を行う際は、全体をまんべんなく受粉させてやると綺麗な実が出来るようになります。適当に一方から受粉した場合、実の形が悪い物が出来ます。
多方向からチョンチョンと優しく受粉する事がポイントです。子供でも出来る作業ですので、小さなお子様のいる家庭では受粉作業辺りから参加されると取り組みやすいですのでオススメです。
収穫前病害虫対策
害虫対策には防虫ネットが必須になります。うえからかぶせるだけでかなり変わります。
防虫ネットは100円の物もありますが、かなり長さも幅も足りません。写真のプランターにかけた100円のネットは1メートルの物でしたが、プランターだけで30㎝ありますので全然足りません。防虫ネットはしっかりと大きなものを購入して、カットして使用するのが好ましいです。
下からくるアリやナメクジやダンゴムシは地面に撒くタイプの殺虫剤を使用して駆除します。また、周囲にイチゴのプランターより高い草など生えている場合、草を上って上か虫が侵入します。周辺の雑草の手入れやネットによる防虫を忘れないようにしましょう。
≫防虫防病スプレー
収穫直前まで使用できるお酢のスプレーも有効です。様々な病害虫に有効ですし、直物の内部にある窒素濃度も整えてくれます。
家庭用の殺虫剤は絶対に使用し無い様にしましょう。農薬ではないため法的にも使用が認められていません。家庭用殺虫剤は油性なので水で流れません。水生の農薬を使用する方がまだましです。
無農薬で頑張るのであれば、手で虫をすりつぶして駆除したり酢を使用して対策しましょう。カビ系には次亜塩素酸水など殺菌用の消毒を利用しましょう。使用後水になる為問題ありません。3日に1度の使用でも70%セント以上の除菌率を有しますので、うどんこ病初期などに有効です。末期には効果が見られませんでした。
収穫前の追肥
イチゴの実を作るにはエネルギーが必要になりますので、元気が出るように追肥をします。クラウンにかけないように追肥をします。
この時に使用する肥料は液体肥料ではなく、遅効性の肥料を使用してください。丸い錠剤で販売されています。イチゴ専用の物などありますが、私は汎用性の高い下記の物を利用しています。
収穫
収穫の時期に入るとどんどんと受粉させた花に実が付き始めます。1つのイチゴの株から取れるイチゴの数は6個前後ですので、1つでも虫に食べられるとかなりの痛手になります。
気が付いたら虫に食べられますので厳重に虫対策と早期対応をしましょう。アリなど小さく動きの速い虫は気付くとイチゴの下側から入り込んで中に潜んでいる事があります。外側から見ると普通のイチゴですが、下から覗くとアリの巣になっている事があります。
収穫時期の警戒は怠らないようにしましょう。
早咲きの花の処理
収穫が近づいてくると、早咲きの花が咲き始めます。この花は育てても寒さで途中で発育不良を起こしますので、無駄なエネルギーを使わせないように摘み取ります。
完全に暖かい春になった時に咲く花から育ててイチゴにして行きましょう。
収穫時期前後のランナーの処理
収穫時期前後からイチゴの株本体からランナーが伸び始めます。これから実をつける事にエネルギーを使いますので、無駄なエネルギー消費を避ける必要が有ります。
この時期に伸びてきたランナーは摘み取りましょう。収穫が終わって株分けの時期に入ってから本格的にランナーを育て始めましょう。
株分けの方法
本格的に株を増やす作業に入る時期が来たらランナーを伸ばします。いくつものランナーをイチゴの株から出てきますので、そのランナーを利用して株を増やしていきます。
株分けするランナーの選び方
イチゴは沢山のランナーを伸ばしてきますが、どれを使っても同じというわけではありません。使用するランナーは太い元気な物を選びましょう。
写真でも解る通り、太いランナーと細いランナーがあります。沢山出てくるランナーを選別して、適切な物を繁殖用として使用しましょう。
株を増やす方法
ランナーの先に上向きに葉っぱが生えてくる場所が出てきます。子の葉っぱが生えてきた茎の下に白い根が点々と生え始めます。根が出始めたら植え付け適正時期ですので、ポリポットに土を入れて固定ピンで固定します。
この際、確りと親株側と子株側のランナーを固定してください。役一週間程度で根付きますので、少し動かして固定された感覚があれば問題ありませんので、親株側のランナーはカットしてください。
このまま子株を増やしていきますが、1つ目の子株は親株の病気をもらっている可能性が高いため栽培用には適しません。1つ目の子株は処分し、2つ目の株から栽培用として育てて行きます。それぞれ根付いたらランナーをカットしても問題ありません。
固定ピン自作方法
固定ピンは自作する事も可能です。針金などを使用しても構いませんが、中々家の中に要らない針金は落ちていないと思います。
自宅の中にありそうなもので代用できるのは、書類を束ねるクリップです。クリップをカットするとU型の固定ピンを2本作製する事ができます。
しかし、この固定ピンは固定力が弱く風邪やランナーの茎の反発力に負けて抜けてしまいやすいので、使用するにはコツが必要です。
どうしてもお金を掛けたくない方は試してみて下さい。個人的には市販の固定ピンの方が成功率が高いためオススメです。
株を増やす際の注意点
上記2点が栽培用の株を選ぶ際の注意点です。1つ目の子株は使用しません。2つ目以降で葉っぱの枚数が3枚~4枚の物が好ましいです。葉っぱの枚数が少なすぎる物は使用しないでください。
同じ株から株分けしていても、それぞれに差があります。出来る限り強い株を残して育てて行きましょう。弱い株を残しても、そこが病気の発生源になりほかの株への感染の恐れもあります。
年間サイクルの説明でも簡単にお話しましたが、株分けの途中で夏に入って行きます。イチゴにとって大きな関門となるのが夏を超える事です。まだ未成長な株にとって、暑さや害虫が大敵です。
日当たりのよい室内の空調管理された部屋がベストですが、中々上手く育つか解らないイチゴの株為に1日中エアコンを動かして外出する人も少ないと思います。それだけのお金を数カ月かけるなら新しい株を1つ買う方が安いです。
外での栽培も、直射日光や照り返しや地熱を出来る限り避け、木陰などへ避難させます。害虫も葉の裏側などへ直ぐに現れ、1日もしたら葉っぱ一枚無くなります。
物凄い勢いで虫は侵食していきますので、朝晩の株の観察は必須です。
株が根付かない時の対処法
株が上手く根付かない場合もあります。最初のプランターのサイズ選びの時にお話ししましたが、プランターは深めの余裕のある物が良いです。
その理由は、プランターから株分けして子株を造る際にプランター内で根詰まりを起こし、ランナーが伸びなるなど発育不良を起こします。
これはイチゴに限らず、上に出ている植物が伸びる分だけ根も伸びる法則がある為、ランナーを伸ばそうにも根を張る余裕がないとランナーを伸ばしていく事ができません。
ランナーが確りと伸びてこなかったり、細々とした頼りないランナーばかりの場合は一度親株の広いプランターへの植え替えが必要になります。植え替えの際は根を気付付けない様に注意して作業してください。
まとめ
ここまで紹介してきた通り、イチゴの栽培には簡単な野菜を育てたりするより手間がかかります。入門には不向きですが、ステップアップするにはちょうどいい挑戦になります。
隙間時間で出来る範囲ですので、子育て家庭にもオススメ出来ます。私も子供達と一緒に野菜やイチゴの栽培に取り組んでいますが、とても親子で勉強になりますし子供も土遊び感覚で勉強できます。
また、土の中に発生する虫の幼虫なども子供達は初めて見る生き物ですのでいい刺激になります。コガネムシの幼虫は定番中の定番のプランターの住人ですので、普段見られない光景に触れる機会も増えます。
虫や外で栽培する場所が無い方、とりあえず1回きりのお試しをしてみたい方には、栽培キットがオススメです。自宅内で簡単に栽培可能です。
この記事から少しでもイチゴ栽培や子供の食育に興味を持って取り組んでいただき、少しでも子供や家庭の笑顔に繋がれば幸いです。
最後まで読んでいただき有難うございました。
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